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■サンジェルマン・アン・レイ "Saint- Germain- en- Laye"

  パリから西へ20Km,セーヌ河を見下ろすこのサンジェルマン・アン・レイの町は12世紀の初頭、木々に囲まれた<Laye レイ>と呼ばれた高台に、要塞が築かれ、13世紀にはチャペルが加えられ、16世紀にはフランソワ1世がイタリアルネッサンス様式の王宮として改造拡大してゆきました。現在もパリから郊外高速RERのA線最終駅で降りますと目の前に現れてきます。旧宮殿と呼ばれるこの元王宮は今日、国立考古学博物館となっています。



  16世紀の王たちアンリ2世やアンリ4世は近くに新宮殿を築きましたがその庭園はこの高台からセーヌ河まで緩やかに広がり実に見事なものだったそうですが、18世紀に宮殿と共に破壊されました。しかしその古き面影はいまも残っています。とりわけ今は無きこの新宮殿は1638年にルイ14世が産声を上げたことで有名で、サンジェルマン市の紋章は<王家のゆりかご>になっているほどです。このルイ14世が後に栄光のベルサイユ宮殿を築いてゆきました。破壊から逃れた新宮殿の一部は今、素敵なホテルとなっています。
  パリのルーブル宮殿と共に王宮としてフランスの政治がなされた旧宮殿、それを取り囲む庭園の遠々と続くテラスからは遠くにパリを眺め、その雄大な展望は見事なものです。週末などは家族連れの人々で賑わいます。



  数々の由緒ある昔の貴族屋敷の合い間を通り抜け賑やかなパン通り(rue au Pain)に来ますと、素敵なブティックやカフェやケーキ屋さん、チーズ屋さん等が連なる中(でもパン通りなのに不思議とパン屋さんは見当たらない)、38番地には市の観光案内所がありますが、実はここは有名な作曲家ドビュッシーが1862年に生まれた家なのです。小さな中庭に入りますとそこはパン通りの賑やかさとは打って変って静けさが歴史と共に私達をドビュッシーの世界へと運んでくれます。家の見学もできます。



  町の西南側の斜面にはモーリス・ドニ美術館があります。もともと17世紀にルイ14世の寵妃が建てた病院だったものですが、1914年にモーリス・ドニが購入し、ナビ派(ヘブライ語で預言者と言う意味)の芸術の重要な場となりました。日本的な流れを受けたこの独特の芸術・ナビ派は後期印象派や象徴派の流れを汲んで心を和ましてくれます。お庭散策も素敵です。



  町の西南側の斜面にはモーリス・ドニ美術館があります。もともと17世紀にルイ14世の寵妃が建てた病院だったものですが、1914年にモーリス・ドニが購入し、ナビ派(ヘブライ語で預言者と言う意味)の芸術の重要な場となりました。日本的な流れを受けたこの独特の芸術・ナビ派は後期印象派や象徴派の流れを汲んで心を和ましてくれます。お庭散策も素敵です。


柿本ブロンドー節子
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