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■シリーズ <ヴォー・ル・ヴィコント>(5) 隠されている運河と泉



  左右対称の直線美が美しい拡がり見せるフランス式庭園は顔の整った美人に例えられよう。見た眼に美しく、ハッとさせる。しかし美人には冷たさが付きものだ。無表情で変哲が無く、やがて飽きてくる感を免れない。庭園風景師ル・ノートルはこのような庭園にある種の驚きを与えることを考えた。フランス式庭園として最初のものを所有するヴォー・ル・ヴィコント城では城のテラスからは見えず、散策して行って初めて現れるものがある。その隠されている驚きとは<運河>である(写真)。庭園内で舟遊びを楽しめるという贅沢なものが城からは見えないのだ。
  運河は城のテラスから出る直線の散歩道を受けて直角に接している。そして、この運河のほとりを歩いて行くと自然に湧き出る泉を発見する(写真)!泉の新鮮な水は運河に注いでいる。城主の話だとこの泉はお城の周りから自然に湧き出るものでお城の庭園を潤していると言う。
  自然をそのままに生かして造る日本式庭園との何という違いだろう。







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