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■オレロン島(L'ILE D'OLERON)とデックス島(L'ILE D'AIX)


オレロン島

  スペインのサンチャゴ・デ・コンポステーラに至る巡礼街道にあるシャラント(Charentes)地方は美しいロマネスクの教会が数多く見られる所。そこから更に西へ進むと大西洋に面して活気に溢れるリゾート地や港町が点在する。特に質・量共にヨーロッパ一と云われるカキの養殖場がスードル(La Seudre)河口とオレロン島の浅瀬に広がっている。オレロン島は大西洋側では最大の島。フランスではコルシカ島に次いで2番目の大きな島。長さ30km、幅5−10km。面積は175平方キロメートル、およそパリの1.5倍の広さを持つ。島には無料の大橋が3kmにわたって内陸から1966年に架けられ、交通の便が一段と良くなった。橋は海面から23mの高さにあり、干潮になるとカキの養殖風景か現れる。
  この島は先史時代からの遺跡があり巨石文化で知られるドルメンも見つかっている。中世時代は余り知られていないが、12世紀に、アキテーヌ領(Aquitaine)となり、跡取り娘のアリエノール・ダキテーヌ(Alienor d'Aquitaine)がこの島に時々滞在し城壁をつくらせた。又彼女によって漂流船の略奪を規制するロールドレロン(Role d'Oleron)という規則が生まれた。
  17世紀には、ルイ14世の築城家として知られるボーバン(Vauban)の設計により島に中に新たな城壁が建てられ、シャトー(Le Chateau)という町の名になった。島の入り口にあるこの町は昔塩田で栄えたが今はカキの名所。


ボヤー要塞とカキ

  その沖合の海中にはナポレオン1世の命により建てたボヤー要塞(Fort Boyard)が望まれる。その建設には50年も架かり、完成時には用を足さなくなり、後に牢獄となり、パリ・コミューンの人々450人がここへ送られた。1996年に歴史建造物の指定を受け、現在シャラントン県の所有で度々テレビ番組に登場している。更にその先にある小島ile d'Aixはナポレオンがセントヘレナに流される前、最後に滞在した島で、宿泊した館が現在ナポレオン美術館となり部屋数は5−6部屋と少ないが彼の遺品と思い出の品々が展示され、ガラスケースの中に19世紀の置時計20個並べてある。全てナポレオンが亡くなった時間を示していた。オレロン島はキャンピング場、貸別荘、ホテルが充実している。サイクリングロードも多く、貸自転車でゆっくり島内を廻ったり、砂浜で日光浴、海辺でアサリ貝をとったり、釣りをしたり、塩田やカキの養殖場を見学したり、自然と歴史につつまれたオレロン島はのんびりバカンスを楽しむフランス人にこよなく愛されている島である。


オレロンのカキ


富士本 優子
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