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■ルーアン

パリから北西133km、車で1時間半でもうすでにルーアン。オート・ノルマンディー地方、セーヌ・マリチム県の県庁所在地、人口110,000のこの中世の面影を残す町並みをセーヌ河が美しく貫いています。印象派の大画家クロード・モネがこよなく愛し、描いたゴティック芸術の代表作ノートルダム・カテドラル。


12世紀、13世紀の息遣いが今も感じられます。神に近づきたいと願う気持ちと、人間の可能性を示す為に天に天にと高く積み上げられた3つの塔(まるでバベルの塔)を見ながらグロス・オルロージュ通りの中程にある16世紀に出来たルネッサンス様式を持った大変優美な大時計の門を目にします。


今は博物館としてこの大時計の中を見学できます。時計台の上から見る町並みが中世の面影をもう一度彷彿とさせます。そこから数百メートル先に裁判所があります。16世紀初頭にノルマンディー議会を作る目的で建てられ、今も艶やかな姿を残しながら機能を果たしています。内部見学は可能ですが、荷物検査を通らねばなりません。


最後にヴューマルシェ広場にある建築家、ルイ・マレチェ作ジャンヌ・ダルク教会です。かっては魔女であった彼女が聖女ジャンヌ・ダルクになった記念として彼女にささげた教会です。1979年に作られ、大変新しい様式絶対的幾何学的純粋性を追求したものです。と言っても至る所で象徴的なものが内外共々散らばっています。天井がノルマンディー様式に適ったヴァイキングの船底を逆さにしたものを見せたり、窓に映る魚のデザインも旧ギリシャ語でイエス・キリスト、神の子、救世主の頭文字語アクロニムは魚IXQUSとなるからです。水のないところに魚がいないが如く、キリスト教徒も先例の"水のないところでは生命はない"と言う意味です。




西堀 政弘
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